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I want to have an open-air fire so badly. The reason is because it takes the warmth, but the reason is not because it cooks it. But I want to face an open-air fire.

裏山の焚き火が好きだ

人類が誕生して何百万年、猿人が見つめた炎も私が見つめている炎も何も変わっていない。焚き火は永遠不滅の存在であり神聖なものだと思っている。
それ故焚き火はひとりで静かに眺めていたい。炎を囲み、歌い語らう、という賑わしい焚き火はどうも苦手だ。
しかもやたら勝手に薪をくべられたり、突つかれたりすると育てた炎が台無しになる。その点裏山はいい。焚き火と二人っきりになれるから・・・





我が家は裏庭から山に続いている。そこにオールシーズン可能な私専用のファイヤープレースはある。
春は桜の下で花見をしながら夏は深緑の木陰で涼しく焚き火ができる。秋は鮮やかな紅葉を背景に冬は雪上での焚き火が楽しめる。焚き付けに便利な杉や松もある。落葉樹の太い倒木も伐り放題だ。
四季折々の風情が楽しめ燃料に事欠かない贅沢すぎるほどの環境かもしれない。
ファイヤープレースといっても元々は朽ちた薪を燃やすためのスペースだったが、どうせならその熱源を料理に利用しようと、石を集めてかまどを作り、3本の枝を縛ってトライポッド風にし、物干しスタイルの杭を打ち込んだ。
鍋やケトルがいくつも同時に使えるファイヤープレースが完成した。

焚き火用にいつも持ち歩ける七つ道具がある。鉈・火ばさみ・グローブ・柿渋うちわ・マッチ・バケツ・鉄格子。うちわはほとんど使ったことがない。シャベルは4駆のスペアタイヤにいつもセットされている。そして肝心なのが焚き付け。私はスギッパと小枝を使用する。新聞紙やティッシュを使ってもいいが、灰が飛ぶし、それほど燃え方もよくない。スギッパと比較すれば歴然と違いが分かるはずだ。小枝は必ず乾いている物を使う。焚き付けさえしっかり準備すればマッチ1本で簡単に火が起こせる。


焚き火は目的によって薪の組み方が変わる。朽ちた薪を処分するために早く燃え尽きるような焚き方もする。要するに井桁やピラミッドに組めば早く燃え尽きる。料理をする場合は貴重なストーブ用の薪を使う時もある。しっかりとした熾きを作りたいからだ。この場合は太めの丸太を平行に置いてその中で焚き付けを行う。追加する薪は炎を覆い隠すように平らに継ぎ足していく。決して立てたりしない。しばらくするとたっぷりの熾きができ、太い丸太にも熾きができつつあるので火持ちもいい。鉄格子を掛けられるので鍋を置くにも便利。これが並列型といわれ、少ない薪で効率もいい調理に適した焚き火なのである。
陽も沈み、辺りが暗くなり始めた頃に熾きが輝きはじめる。耳を澄ませばメラメラと熾きの弾ける音がかすかに聞こえる。実に情緒的で甘美な光景だ。愛のささやきにはぴったりの場面かもしれない。私には縁のないことだけど・・・。
ひょっとして、薪ストーブよりも焚き火こそが写風人の原点かもしれない。